魔王スサノオ降臨
第6章、日本へ

Ⅰ、伊勢神宮内宮


出発の日の昼下がり、3人の部屋で・・・。
さてと、2人の服やもろもろも買ったし、荷造りしたらOKかな。
コロンはこのスーツケース、ミーはこれね。
そして、はいパスポート、すごいね、きちんと2人の写真も。
山田天照に山田月読命かぁ、2人とも光栄だね。
やっぱり、神様ってなんでもできるのね。
さあ、今晩の飛行機に乗ったら、もう後戻りはできないよ。

ベトナム空港、関西空港行、ナイトフライト便・・・。
どうしたの、ころんもミーも、寝れない?
うん、やっぱり緊張するね、飛行機も初めてだし。
そうだよね、でも、寝ておかないと日本に着いてからが大変だよ。
そうよね、わかった。

翌朝、関西空港に到着・・・
着いた、いよいよだよ。
ところで、お迎えの人はどこなんだろうね。
2人とも、注意しておいてね。

あっ、ママ、あそこ、月読命(ツクヨミ)様ともう一人の女の人がいる。
急いでっ。
翔子様、そしてお二人のお嬢様、遠いところをありがとうございました。
とんでもございません、月読命(ツクヨミ)様、アメノウズメ様、わざわざありがとうございます。
ちょっとゆっくりしてからにしたいのですが、あまり時間もありません。
皆さんは、このまま難波駅まで行ってください。
その後、近鉄特急に乗り換えて、宇治山田駅で降りて、改札口までお願いします。
一緒に行ってもいいのですが、やっぱり目立つようですし、魔族の目もあるので。
私達は改札口でお待ちしています。
乗り方や乗り口は翔子様、よく、おわかりですよね。
はい、勝手知ったる大阪難波です。

2人とももうすぐ着くよ。
お弁当は全部食べた?
うん、日本の食べ物って、本当に美味しいね、ママ。
ママも懐かしいんでしょ。
そうだね、見る物全部買って帰りたいね。
あっ、着くよ、降りる用意して。

翔子様皆様、改めて、ようこそ。
飛行機に続いて、長時間の電車、お疲れでしょう、もう少しです。
車を待たせています、こちらに。
これから伊勢神宮の内宮に向かいます。
私達も内宮に入れるのですか?
もちろん、そこで、天照(アマテラス)様がお待ちです。
車は、伊勢神宮の敷地内から少しそれた小道に入ります。
しばらく進むと、深い霧、その霧が晴れた時、目の前に荘厳なお社がお姿を・・・。
皆さん、到着しました。
月読命(ツクヨミ)様、ここは?
そう、もうおわかりですね。
ここは、伊勢神宮の内宮ですが、皆さまの住んでいる空間とは別のところです。
そう、伊勢神宮の内宮で限りなく天界に近い所。
さ、私の後に続いてください。

階段を上がり、社の中へ。
更に奥に進むと、全身から光を発する神々しい女性が座っている。
お姉様、翔子様とお嬢様をお連れ致しました。
皆様、天照(アマテラス)様です。
五百井(イオイ)一族の血を引く者、よくぞ参られた。
私は、この時を待っていました。
とても嬉しく思いますぞ。
私共こそ、お会いできて、光栄です。

話は全て、この月読命(ツクヨミ)から聞きました。
よく、この危険な仕事を引き受けてくれましたね。
神々、御仏一同、感謝していますよ。
もったいないお言葉、私共などに全うできますかどうか。
しかし、全力を尽くして、遂行させていただきます。
ありがとう、翔子様。
あなたは、五百井(イオイ)一族陰陽師(オンミョウジ)役の最後の一人。
神々、御仏だけでなく、陰陽師(オンミョウジ)として活躍された御先祖からも、守られるのです。
陰陽師(オンミョウジ)役の血はあなたで途切れるとしても、これが人間界での陰陽師(オンミョウジ)を必要とする最後の仕事。
全てがこれで終ります。
あなたと娘さん達、神と仏、陰陽師(オンミョウジ)の先祖達が力を結集して立ち向かう、最初で最後の決戦なのです。

< 26 / 32 >

この作品をシェア

pagetop