ナックルカーブに恋して
ファインダーごしに、まっすぐに見つめられて、思わずドキッとする。
彼が言ったのはおそらく一般論で、特に誰かの事を指していたわけではない。
それでも、私の胸は自然と音を立てた。
私がメイクするようになったのは大学に入ってから。コスメ雑誌の編集部でアルバイトしていることもあり、お化粧は嗜みとして必須科目だ。
ただ、そんなに器用ではないので、いつも薄めのナチュラルメイク。
あんまりじっと見つめられると、アラが見えてしまいそうだった。
彼の視線に、私はすでに平常心では居られなかったが、彼の発言から咲さんは、恋愛関係の質問もOKだと判断したらしい。
「意味深な発言だね。ズバリ、彼女とか好きな人とか、居るのかな?」
「もちろん、好きな人は居ますよ。僕も健全な高校生です。」
咲さんの際どい質問にも、彼は平然と答えていく。横から、スポーツ誌の編集者が口を挟んだ。
「でも、高校の野球部は恋愛禁止されてるところが多いよね。」
「はい、うちも引退するまでは、基本的に恋愛禁止です。でも、片思いは自由ですから。」
「なんか、アイドルみたいだね~。」
「万が一バレても、辞めさせられたりはしないですけど。僕は、野球に集中したいので、恋愛は引退後にしようと決めてました。」
「じゃあ、これから、告白とかするのかな?」
「いえ、もう告白は随分前にしてあるんです。甲子園行けたら、付き合って下さいって。」
「えー!すごーい。じゃあ、彼女の為にも、頑張ったんだ。」
「はい、まあ…そればっかりじゃないですけど。確かにそれもあります。」
彼が言ったのはおそらく一般論で、特に誰かの事を指していたわけではない。
それでも、私の胸は自然と音を立てた。
私がメイクするようになったのは大学に入ってから。コスメ雑誌の編集部でアルバイトしていることもあり、お化粧は嗜みとして必須科目だ。
ただ、そんなに器用ではないので、いつも薄めのナチュラルメイク。
あんまりじっと見つめられると、アラが見えてしまいそうだった。
彼の視線に、私はすでに平常心では居られなかったが、彼の発言から咲さんは、恋愛関係の質問もOKだと判断したらしい。
「意味深な発言だね。ズバリ、彼女とか好きな人とか、居るのかな?」
「もちろん、好きな人は居ますよ。僕も健全な高校生です。」
咲さんの際どい質問にも、彼は平然と答えていく。横から、スポーツ誌の編集者が口を挟んだ。
「でも、高校の野球部は恋愛禁止されてるところが多いよね。」
「はい、うちも引退するまでは、基本的に恋愛禁止です。でも、片思いは自由ですから。」
「なんか、アイドルみたいだね~。」
「万が一バレても、辞めさせられたりはしないですけど。僕は、野球に集中したいので、恋愛は引退後にしようと決めてました。」
「じゃあ、これから、告白とかするのかな?」
「いえ、もう告白は随分前にしてあるんです。甲子園行けたら、付き合って下さいって。」
「えー!すごーい。じゃあ、彼女の為にも、頑張ったんだ。」
「はい、まあ…そればっかりじゃないですけど。確かにそれもあります。」