初恋の甘い味
秘密


「じゃあね~♪」

「バイバ~イ!!」

「うん!また明日!!」

「ふ~ふん~♪」

私、花園真理亜。

私にはとある秘密があって偽名で普通の高校に通ってる。
その秘密とは………。

ガチャ

「お帰りなさいませ」

「出して」

「畏まりました」

学校からちょっと離れた死角になっている場所に停められた黒光りするリムジン。

その後部座席に乗り込み、リムジンは静かに発車した。

そう。私は世界屈指の大財閥、花園財閥の次期後継者。

花園財閥っていったらこの世界で知らない人はいないほどの大金持ち。

世界の経済は花園財閥が支えてるといっても過言じゃないくらい。

ホテルや化粧品会社、病院など、さまざまな事業を展開していて、全ての業界に花園財閥の会社があるんじゃないかな?

でも裏では名の知れた極道。

表の世界と裏社会を牛耳る強者としてトップに君臨し続ける。

頂点に聳え立つ決して誰も敵わない場所。

それが花園財閥。

だから誰も花園財閥に逆らえない。

逆らったらそれこそ一瞬で存在そのものを抹消されてしまう。

私のお母様が花園財閥の社長でお父様が組長。

お祖父様が会長。

そんな私がなぜ偽名で通ってるかというと、好きな人を見つけるため。

私は現在15歳。

16歳の誕生日に正式に婚約が決定され、18歳で結婚しなくちゃいけない。

私はそんなの絶対嫌。

好きでもない相手と結婚するなんて死んでもゴメン。

だから名前を伏せて普通の高校に入ったの。

花園財閥の次期総帥と知れば皆目の色変えて媚を売ってくるから。

そんな中でほんとうの友達や恋人なんか出来るはずがない。

私は心から愛し合える相手と一生を添い遂げたいの。

婚約が決定してしまうともう絶対に覆ることはない。

だから誕生日を迎えるまでが最後のチャンスなの。

でももう時間がない。

タイムリミットが迫っている。

< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop