平均女子だって恋をする
朝からなぜだかザワついている校内を不思議に思いつつ、教室に着くとその理由がわかった。
『なに、あのイケメン!?』
ここって、私のクラスだよね??
思わず廊下に出て教室を確認してしまったが、やっぱり合っている。
転校生?
イヤ、それなら先生と一緒に来て紹介されるのが道理だ。
横目でチラチラ見ながら自分の席に向かっていると、
「神崎さん、はよー」
声の主はウワサのイケメン。
「…おはよー?」
戸惑いながらも返答をし、まじまじと見ていると、
「…どうした?体調悪いのか?」
どうやらイケメンは私の事を知っているようだ。
……
……
「あっ!!是永くん!?」
「なんだよー、その反応は。神崎さんのアドバイス通りだろっ!」
まぁ、そうなんだけど…
まさか髪型変えてコンタクトにし、ピアスを全部はずすだけで、あのいかつい雰囲気が一転、爽やかなイケメンになるなんて誰も思わないでしょ。
「い、いいねー! 黒髪・短髪。似合ってるよっ」
「だろっ? こんなに短くしたの久々だよ。スゲーすっきり!」
コンタクトのおかげで目つきの悪さも改善され、笑顔もイケメンだ。
「今日は放課後、英語から頼むよ」
「うん。いいよー」
ヤバイ、緊張するっ!!
イケメンと話す免疫なんてわたしにはないんだよぉー!!
このバクバクとうるさい心臓をなんとか黙らせるよう必死に平静を装った。