平均女子だって恋をする

ーー視線がイタイ。


『あのイケメン、誰！？』
『一緒に喋ってるオンナは何！？』

ヒソヒソ声がかすかに聞こえてることには誰も気に留めていないようだ。


…イタイ。



「おはよー、アリサ」

少し不機嫌そうな様子で佐恵が来た。

「なんなの、あの人だかりは！教室入れないじゃん！
…ん？クラスにいたっけ？？」

私の横にいたイケメンに気づいたが、やはりあのヤンキーだとはわからないようだ。

「是永くんだよ、クラスメイトの」

そう言うと、ポカンとした表情で是永くんの顔を凝視している。
そして、事の次第を理解したのか、

「…ああ！是永くんかー！突然イメチェンしてるからわかんなかったよー」

そう佐恵は言うと、扉の向こう側にいる野次馬たちに聞こえる声で言った。


「さすが、アリサはクラス委員だね！」