平均女子だって恋をする
わたしたちが職員室でプリントを受け取り廊下へ出ると、
「神崎ー。すぐ終わるからちょっと来い」
と、ヤマザキに呼び止められた。
「すぐって言うから、オレここで待ってるよ」
「あ、うん。ちょっと待ってて」
「センセー、何ですか?」
是永くんがプリントを持ってくれてる上に待たせてるので、焦って少し冷たく言った。
すると、
「ありがとな、神崎。
正直、是永がこんなに早く登校してくるとは思わなかったよ。
それに、遅れてる分の勉強みてやってるんだろ?」
「い、いえ、クラス委員ですし。
…ていうか、知ってたんですか?」
「ん?放課後残って勉強教えてることか?
そりゃあ、こうみえても『先生』だからなっ」
そうか。
あれでもクラス担任持つくらいだもんね。
まさかヤマザキから感謝の言葉を聞けるとは思ってなかった分、ちょっとうれしい。