平均女子だって恋をする
最後の水曜日
放課後にて
「やっと追いついた…」
疲れてるけど達成感で感激している様子の是永くんを見ていると、私も勉強を教えてあげてよかったなと、しみじみ思う。
「ホントにありがとうな!
来週のテストでは良い結果だすよ。
テスト終わって落ち着いたらお礼するからなっ」
大きな手で私の頭をぽんぽんと叩きながら是永くんは嬉しそうに言った。
えっと…こういうのってテレるんですけど!?
いや、嬉しいけど、ドキドキがとまらないってばっ!
変に顔を赤くしてないかな?わたし。
いっぱいいっぱいで無言でいると、
「今日はバイトないんだ。だから神崎さんの最寄り駅まで送るよ。帰ろうぜ」
と言うと、さっさと教科書類をカバンに入れると席を立った。
えっ!?
驚きとうれしさとで思考が追いつかない。
だが、『一緒に帰りたい』という思いは心のどこかから、もの凄いスピードで脳に伝達したのであろう、わたしは慌てて帰り支度をして、是永くんの隣を歩いていた。