平均女子だって恋をする
通常の木曜日

いつも通りに登校して、下駄箱で上履きに履き替える。
そして、三階にある教室へと向かう。
教室に入り、
「おはよー」と先に教室に来ていた女のコたちに声をかけ、席に着く。

いつも通りの事。


いつも通りの学校なのに、違う事が1つ。

今日から是永くんとの放課後の勉強会が無いのだ。


自分の中で当たり前のように、放課後のイベントになっていたのだが、これから無いなんて、なんだかプチ失恋したかのようにぽっかりと心に穴が空いたように感じる。


うーん……寂しいような、変なカンジだ。


でも、「テストどうだった?」なんて話しかけることはできるし、
昨日は勉強会の『お礼』をしてくれるって言ってたし、接点が無くなった訳じゃないもんね。

そういえば、『お礼』てなんだろう?



「おはよー」
朝練が無いからいつもより早く佐恵が来た。

1人でもやもやとした気持ちでいたので佐恵が来てくれて助かった。

朝から佐恵とくだらない話をしていると、


「神崎さん、おはよー」

少し眠そうなカンジで是永くんが来た。
遅くまで勉強してたのかな?


「おはよー」

わたしと佐恵が是永くんにあいさつすると、


「……み、溝口さん、おはよー」

なんとか、佐恵の名前が出てきたようだ。

まだクラス全員の名前を覚えてないのかな?

だとすれば、覚えてもらっているわたしとしては、少しの優越感を感じてしまう。
それくらいいいよね?
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