平均女子だって恋をする
「そういえば、是永くんとはどうなの?」
「えっ!どうってどうもないよ。突然なによー?」
急な佐恵からのフリに、わたしは慌てた。
「だってさぁ、あんなイケメンと放課後、毎日のように2人きりだったんでしょ?恋なんか芽生えちゃわないの?」
あぁ、オンナが集まると恋バナは必須だよね…。人の話を聞くのは好きだけど、自分の話はちょっと…苦手だなぁ。
とはいえ、佐恵になら少しぐらい話してもいいかと思う。
「芽生えるも何も、あんなイケメンがわたしなんか相手にするわけないじゃん」
自分で言ってて虚しくなってくる…
「そぉ?是永くんって、女のコではアリサにだけは話しかけるじゃん?」
「そっかなぁ?クラス委員だからでしょ、きっと」
「それもあるかもだけど…。
あぁ!あれか、『美人は3日で飽きる』って言うから、アリサの方がイケメンは3日で見慣れたってこと?」
「ないない!!イケメンは3日くらいじゃ見飽きないよー。目の保養だよね。いや、近すぎるとドキドキが止まらないよぉー!
佐恵こそ、男バレの先輩がイケてるって言ってたけど、どうなのよー?」
朝からバカみたいにそんな女子トークしながら笑いあっていたら、いつの間にやら学校に着いてしまっていた。