平均女子だって恋をする
「新しくできたパン屋が美味しい」とか
「あそこのゲーセンのクレーンゲームのアームが弱いよね」などと、佐恵とダラダラ話しながら教室へと向かった。
いつものように、わたしより早く登校しているクラスメイトたちに
「おはよー」と声をかけ席に着いたのだが、なんだかよそよそしい…。
そういえば、廊下でも変な視線を感じてはいた。…が、気のせいだと思ってスルーしたのだった。
でも、この空気が気のせいではないと語っている。
わたし?それとも佐恵?
何かが変だ。
佐恵も気づいているのだろうか?
「はよー」
と、是永くん。
「おはよー」
と、わたしも挨拶する。
やっぱり…なんか視線を感じる。
変な空気を感じる。
わかっていることは、佐恵と是永くん、ガヤガヤうるさいオトコ共はこの空気を発していないということだ。
その理由が明らかになるのは、数時間後、放課後に1人になった時であった。