平均女子だって恋をする
「是永くんとどういう関係なの?
一緒にいるの見たんだけど!?」
「仲良さそうに歩いてたようだけど、なんで!?」
「ねぇ!付き合ってるの?」
「ちょっとー、聞いてるの?
なんとか答えなさいよっ!」
オンナの集団に囲まれて無言でいない人なんているのだろうか?
「ねぇっ!どういう関係なの?
付き合ってるの?」
「え、えっと……」
な、なんか言わなきゃ…。
『是永くんと一緒に歩いてた』ということを言ってたから、一昨日送ってくれた件だよね。
見られてたのか……。
「あ、あの…たまたま帰りが一緒で送ってくれただけで……その…」
「じゃあ、付き合ってるわけじゃないんだね?」
まだ厳しい口調でわたしを問い詰めてくる。
「う、うん。もちろん…」
すると、肉食系女子がニコッと不気味な笑顔で続けた。
「あと、是永くんのこと好きなわけでもないよね?」
えっ!?
な、なんでそんなこと聞かれなきゃいけないわけ??
そうは思っても、この女子の集団に反抗できる気力は持てない。
はっきり言って……怖い。
「う…うん。好きなわけじゃないよ…」
そう、わたしの口が勝手に答えていた。
その時、
なんで気づいてしまったんだろう。
前方の扉の辺りに人影を見た。
そう、あれはきっと……是永くんだ。