平均女子だって恋をする
もう、わたしの頭の中はぐちゃぐちゃだ。
まだ足はガクガクと少し震えている。
「もう、ヤダ…」
そう小声でつぶやくと、震えに耐えかねて床にへたり込んだ。
教室にはわたししかいない。
しばらくの間、そのまま何も考えず俯いていると、
「ごめーん!遅くなったー。バレー部のコと会って盛り上がっ……、って、アリサ??どうしたの!?体調悪いの!?」
佐恵がへたり込んでいるわたしに駆け寄り、両肩を掴んで軽く揺さぶった。
あれはほんの3分から5分くらいの出来事だったのに、わたしには1時間くらいの事のように長く感じられた。
だから佐恵はそんなに遅くなんてないんだよ。
遅かれ早かれ、この時は必ずやってきたのだろうから。
それよりも、佐恵が来てくれてほっとしてる…。
そしてようやく、わたしはこらえていた涙を流すことができたのだ。