平均女子だって恋をする
『コレナガ』
放課後、もう夕陽がさして空がオレンジ色に染まっている今、
私はなぜか高台にある住宅街を彷徨って
いる。
というのも、すべてはクラス委員のせいだ。
佐恵と別れた後、職員室に行くと早速
ヤマザキからの指令が下った。
「おう、神崎!佐々倉は野球部優先だからお前に頼むわ」
『ふざけんなよっ!クソジジイ!!』
心の中で毒付きながら、私は優等生ヅラで話を聞く。
「1度も登校してこない『コレナガ』ってクラスメイトがいるんだが、そいつに
プリント渡して、学校に来るよう伝えて
くれ」
…なんて、それって先生の仕事じゃないの?
不服に思いながらも、なんとかケータイの地図サイトでここまでたどり着いたのだが、見慣れない街並みで私は迷子だ。
誰か『コレナガ』を見つけてくれー