平均女子だって恋をする
しばらく無言で2人で歩いた。
とぼとぼ歩くわたしの速度に合わせてゆっくりと。
「話せるようになったら話しな?」
「…う、うん」
か細い声で答えた。
時間が経つにつれ、段々と平静を取り戻しつつある。
最寄り駅の三ツ沢に着くと、わたしは佐恵に言った。
「佐恵……お茶しない?話聞いてもらってもいいかなぁ?」
「もちろん」
佐恵は力強く答えてニッコリ笑った。
そういえば、ずっと俯いていて、そばにいてくれた佐恵の顔を見ていなかった事にこの時気づいた。
自分のことばかりで視線すら合わせずにいたのに、それでも一緒にいてくれた佐恵に対し、申し訳無さと感謝の気持ちでわたしはまた泣きそうになった。
今度はうれし涙だ。
うん。大丈夫。
もう、話せる。