平均女子だって恋をする

ずっと喋っていると喉が渇く。
コーラもアイスコーヒーも底をつきかけている。


「…だってさぁ、あんなイケメンがわたしなんか相手にするかなぁ?
悔しいけど、あのコたちが言うように、わたしって平凡だし。
そう思うと、『望みがないから好きになっちゃいけない』って知らず知らず自分にブレーキかけていたんだと思う」


わたしがそう言うと、佐恵が少し怒った顔をして言った。

「おーい、アリサ!『わたしなんか』っていうの禁止ね。
アリサは良いコだよ。
少なくとも集団で女子1人を取り囲むような奴らよりは、ずっとね」


「あっ…ご、ごめんね。気をつけるよ。
つい、自分に自信が持てなくて…」


「アリサの悪い所だよね。
まぁ、自分じゃわからないだろうけど、良い所の方がいっぱいあるんだから自信持ちな?」


「え?そう…なの?あ、ありがとう」

良い所ってなんだろう?と思いながらも照れくさくて聞くことはできなかった。



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