平均女子だって恋をする
「ところでさぁ、やっぱりあの時、前方の扉にいた人って是永くんだったと思う?
話聞こえてたよね?」
「そうだなぁー、アリサがそう思うなら是永くんだった可能性は高いと思うし、聞こえてたから教室入らないで居なくなったんじゃない?」
「そ、そうだよね…。わたし、是永くんと話しづらいよ…どうしよう??」
言葉にすると、あの時のことを思い出してため息がでた。
なんであの時、『好きじゃない』なんて言ってしまったんだろう。
今更、後悔したところで発言は消えやしない。
「でもさぁー、あの場はそう言うしかないよね。だってそうしないとあのコたちからシカト始まるよ」
佐恵が冷静に分析して言った。
「そ、そうかも…。あー、でも是永くんには『好きじゃない』って聞かれて…そっちは良くないよぉ!」
「それはさ、アリサが告ればいいんじゃない?是永くんに」
!?
「…そ、そんな勇気持てないっ!」
「そんなこと言って、勘違いされたままでいいの?」
「………良くない」
佐恵の言うことはもっともだ。
でも、告白となるとやっぱり躊躇してしまう。