平均女子だって恋をする
是永くんの人気はますます高まっているようで、最近は休み時間ごとに女子に囲まれている。
わたしだって、と思うがあんなにキラキラした女のコたちに敵う気もしないし、気後ればかりでイヤになる…。
今だって、是永くんはいつの間にか仲良くなってる佐々倉くんと一緒にお昼を食べているが、2人の周りには女のコたちが取り囲んで話しかけている。
「アリサのお母さんの作った卵焼き美味しいよねー!ねぇ、この唐揚げとトレードしない?」
佐恵が目を輝かせて聞いてきた。
「あっ、う、うん。どうぞ」
意識が是永くんの方ばかりに傾いていたので、慌ててお弁当箱を差し出した。
そんなわたしの様子に佐恵は少しばかり飽き飽きしてるようだ。
「もぉー、アリサはどうしたいわけ?そんなに気になるなら話しかけなよ!誘いなよっ!告れよっ!!」
「ス、スミマセン……」
怒られるわ、申し訳ないやら、自分で自分がイヤになる。
「そんな、心ここに在らずでため息ばっかりつかれてると、私の弁当が不味くなるってば。
……もう!さっさとご飯食べて行くよっ!ほら早くっ!」
「えっ!?ど、どこに?」
急かされたわたしはとりあえずお弁当を平らげると、佐恵に連れられて教室を出た。