平均女子だって恋をする
連れられた先は中庭ーー
「ここならいいでしょ?あんまり人がいないから話しても大丈夫」
確かに、是永くんはもちろん、クラスメイトはいないから落ち着ける。
「佐恵…ありがとう」
「まぁ、是永くんが他の女のコと喋ってるのを見てるとヤキモチ妬いちゃうんだろうけどさぁ、このままじゃ、彼女作られて不完全燃焼な失恋で終わるよ?」
「……だよねー」
「どうするよ?」
「どうしよう?」
アハハ…と軽く乾いた笑い声をたてる。
「やっぱりさぁ、自分に自信ないんだよね。大した取り柄もないし、可愛いわけでも頭が良いわけでもないし、好きになってもらえる要素が見当たらない…。どこをとっても人並みだもん……」
正直な今の気持ちだ。
「じゃあさー、努力すれば?
自信持てるように少しだけでも何かしてみれば?」
……何かって、何だろう?