平均女子だって恋をする
目を覚ますと白い世界が広がっていた。
クリーム色がかった独特な白い部屋。
えーと……
家じゃない…。ここは……?
記憶を思い巡らすと体育で走っていたことを思い出した。
そっか…倒れたんだろうな、私。
思い返せば、小学生、中学生時代ともに一度は長距離走で倒れていた。高校でもやらかすとは情けないなぁ。
どのくらい寝てたんだろう?
とりあえず教室戻らないと帰ろうにも帰れないし。
クリーム色のカーテンを開けて上履きを履く。
制服のシワが気になって見たら、まだジャージでいることに気づいた。教室に行く前に着替えなければいけない。
「センセー、もう戻りますね。すみませんでした。有難うございました」
養護教諭に挨拶をして出て行こうと扉を開けると
「あぁ、神崎さん。もう大丈夫だと思うけど、念のため帰る前に保健室に来てくださいね」
帰宅時に何かあっては先生の責任問題になってしまうからだろう。面倒だけど、寄ってから帰るか。
「はーい」
そう返事して扉を閉めた。