平均女子だって恋をする
教室に戻ると男子クラスメイトのニヤニヤした顔と女子生徒の冷たい視線で迎えられた。
何なの??
不思議に思っていると佐恵が駆け寄って来てくれた。
「アリサ、体育で走ってて倒れたんだよっ!もうっ!心配したんだからね、大丈夫!?」
「あっ、うん。ごめんね、またやっちゃったねー」
そう言って、恥ずかしさを笑って誤魔化す。
「休み時間に保健室行ったけど、寝てるからって保健医に追い返されてさぁ!」
少しムカついた顔してそう言う佐恵に、
「倒れるなんてカッコ悪いよね…。だからみんなの注目浴びてるのかなぁ?」と聞いてみた。
佐恵は不思議そうな顔をするとすぐ思いついたように教えてくれた。
「覚えてないんだ??そっか、倒れて意識なかったもんね。
体育の時、倒れたアリサを是永くんが抱えて保健室連れてったんだよ。
『走るのダルいから丁度いいわ。堂々とサボれるから保健室連れてくね』て。
みんながキャーキャー騒いでさぁっ!
だからじゃない?」
えっっ!!
顔から火がでそうっ!
あぁっ!ダイエットしておくんだった!!て、そうじゃなくてっ。
もう、頭の中が絶賛パニック中。
「な、なんで是永くん??」
「さぁ?ちょうど倒れたあたりで通りがかったんじゃない?」
「そ…そうか……。そういえば、男子の先頭集団に追い抜かれた記憶はあるわ…」
なんてタイミングなのだろう。
とりあえず…お、お礼いわなきゃ。
みんなの前では恥ずかしいから、放課後につかまえよう、うん。