平均女子だって恋をする

さて、是永くんにお礼を言いたいんだけど……


SHRの終わった教室を見渡したが、すでに是永くんの姿が見えない。
今日はバイトの時間が早いのかもしれない。
わたしは早々に今日お礼を言うことを諦めて保健室に寄って帰ることにした。


久々に話す口実が出来て、本当はすごく嬉しかったのだけれど、あの時のことを聞かれていたのかもしれないと考えると何だか怖くて話せない。

でも、いい機会なのかもしれない。

きっと神様が、「どちらに転んでも正直な気持ちを話しなさい」って後押ししてくれているのかもしれない。


………なんて、

考えていたのになぁ。


是永くんはいないし、今日話せないとなると、やっぱりダメな方に転ぶ確率が高いってコト?


フッと、軽く鼻で笑う。変に期待していた自分がひどく滑稽だ。


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