平均女子だって恋をする
「あの、もう大丈夫っ。お騒がせしました!」
ペコリと頭を下げて言った。
「そっか……良かった」
片手で首をかきながら真顔で言われると少し怖い。迷惑かけて怒っているのだろうか?とりあえず、謝ることにしよう。
「あ、あの…是永くんが、倒れて…わたし運んで…その、重たかったから、ホントごめんなさいっ!それで…ありがとうっ」
………
『ブフッ…』
えっ??
「なんか、ちょっと日本語おかしくねぇ?テンパりすぎだし」
笑いをこらえきれずククッと是永くんが笑い出した。
うぅ……は、恥ずかしい。
予想外の是永くんの登場に気持ちの準備が整っていない。
でもでもっ、今がチャンスだ!
「あ、あの…」
わたしが言うと同時に是永くんも喋り出し、わたしの声はかき消された。
「さっきさぁ、溝口さんに会って、神崎さんが保健室寄ってから帰るから、近所まで送るよう頼まれたんだよ」
……な、何頼んでるのよっ、佐恵ってば!!