平均女子だって恋をする

「真っ青な顔して倒れたら、さすがに心配じゃん?ちょうどバイト入ってないし、家の近所まで送るよ」


「な、なんか悪いよっ。保健室まで運んでくれただけですごく感謝してるからっ」


「そんな気にすんなよ。乗りかかった船ってヤツだよ。それに、送らなかったらオレ、待ち損じゃね?」


「で、でも……あっ!じゃあさ、前に勉強教えたお礼してくれるって、言ってたよね?それで、お願いします」

わたしは少しテレながらもペコリと頭を下げて言った。

すると、

「…おっまえ、そんなのカウント出来るわけねーだろ!病人、ケガ人は黙って甘えてればいーんだよ!」


やっと笑ってくれたのに、また少し是永くんが怒った顔になってしまった。これ以上、不機嫌にさせたくないなぁ。


「じゃあ……ありがとう。お願いします」


「おうっ!ほら、カバンよこせよ。教科書重いだろ」


素直にカバンを渡すと、わたし達は下駄箱に向かって歩き出した。




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