平均女子だって恋をする
HRも終わり、部活動組と帰宅部組が嬉しそうに教室を後にした。
私の頭の中は、ヤンキーの男の子と2人で勉強。
という慣れない状況を予想していっぱいいっぱいだ。
極力、緊張してることを悟られたくないなぁ…なんて考えていると、
「神崎ー。オレ授業まったくついていけなかったよー」
是永くんが顔に似合わず人懐っこく話しかけてきた。
「たった1ヶ月弱だよ、すぐ追いつけるって!」
「そっかぁ? ま、神崎さんがどれだけ上手に教えてくれるかにかかってるな」
ニヤッとイタズラな笑みを浮かべて是永くんが私の横の席に座った。
な、なんか距離が近くてドキドキする。手汗もかいてきた。
「とりあえず、数学から頼むわ」
やる気満々で教科書を広げ筆記具を用意し始めている。
「う、うんっ。あ、ちなみにわたし頭いいわけではないよ?今更だけどいいのかな、わたしで?」
「おう、オレ話せるの神崎さんしかいないし。
…ってかさ、なんかオレいろんな奴らに見られてる気がするんだけどなんでかなぁ?」
「それは…やっぱりヤンキーだから目立つんじゃない?」
……
「はぁ!?」
彼の鋭い目つきがいっそう鋭くなった。
まずいっ!おこらせた!?
「オレ、ヤンキーじゃないけど!?」