平均女子だって恋をする
!?
…………
「……えっと、頭の中、整理させてもらっていいかな?」
やっとわたしが口を開いて沈黙が破れた。
「見た目ヤンキーなんだけど、違うの?」
「…逆にどこがヤンキーに見えるのか教えてほしいよ」
少しふてくされた顔をして是永くんもやっと口を開いた。
正直な意見を言って怒らせてしまわないか不安だけど、言うだけ言ってみよう。
「その…金髪プリン頭とズラッと並んだピアス。眉間にいつもシワ寄せて目つき悪いし…」
こんな事言いづらくて、どもってしまうが、是永くんは真剣な目でわたしを見て言葉を待っている。
「なに?」
「入学早々、欠席って……」
すると、是永くんはフーッとため息を吐いて天井を仰いで言った。
「……そっか。
ちょっと合点がいったわ。でも、金髪にしてんのもピアスもファッションだし、目つき悪いのはコンタクト失くして視力悪いせいだし、休んでたのは……」
そこまで言うと急に耳が赤くなって口ごもった。
「それは、まぁ…いろいろあったんだよっ!」
なぜだか焦って赤くなったままだ。
怒ってはいない様子でホッとした。
「そうなんだー。全校生徒みんなヤンキーだと思ってるよ、きっと」
「はぁーー。オレどうすればいいわけ?ヤンキーじゃねぇよ…」
そこそこショックだったようで、うつむいてしまった。
でも、その格好でヤンキーではないという方がムリがあると思うけど…。
「とりあえず、その金髪プリン直して、コンタクト作ったらどうかな?」
気を悪くさせたようで、なんだか責任を感じたわたしは提案してみた。
「んー、そうだな…考えとくわ。ありがとな、神崎さん!
それと、勉強すすんでねぇんだけど?そっちも頼むわ。」
そう言うと、やっぱり目つきの悪い顔で優しく微笑んだ。
なんだか、かわいいヒトだなぁ。
見た目ヤンキーなのに。
男のヒトにかわいいなんて言ったら傷付くのだろうけど。