No.1ガール〜桜の姫〜①


疾「ほら静かに。理央ちゃんが起きちゃうだろ。」



その疾風の言葉で全員の視線が理央へと向く。




翼「…まだ爆睡中。」



一体、昨日何時まで本読んでたんだよ…。



この様子じゃ当分起きねえな。



菜「あーぁ、残念。せっかく理央に会いに来たのに…。ま、寝てるなら仕方がないか。起きるまで待ってよっと。」



そう言って菜々夏はソファーに座ってテレビを見始めた。



陽「なあ、久しぶりに屋上行かね?」



優「あー、そう言や最近行ってねえなー。」




屋上は俺たちのもう一つの溜まり場だ。




先代である永遠さんが好きに使えと鍵をくれた。




菜「行きたい!天気も良いし行こうよ!馬鹿な陽希もたまにはいい事言うじゃん。」




陽「だろー?……ん?馬鹿は余計だ!!」




疾「はいはい、すぐ喧嘩しない。それより、屋上行くのはいいけど理央ちゃんは?」




「起こすのは可哀想だろ?」と言う疾風。




翼「俺が連れてく。」



俺は寝ている理央の足と脇の下に手を入れて抱え上げた。




俗に言うお姫様抱っこというやつだ。


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