No.1ガール〜桜の姫〜①


あ、そう言えば飲み物買いに行くって言ったけど私お金持って来てないや。



少し歩いてから財布を持って来てない事に気が付いた。



かと言ってあの場に戻る気もないので、適当に施設内を散策する。



陽希達いないかなー?



キョロキョロ辺りを見渡すけど、さすがは全国有数の大きなプール。



広過ぎて全く見つけられない。




…仕方ない、戻ろう。



そう思ってクルッと体を反転させた時だった。



ツルッ



理「ッキャ!」



下が濡れていた所為で、足を滑らせた。



ヤバい、転ぶ!



グイッ



翼「っと、危ねえ…。」


理「…え、翼?」



ギリギリの所で翼が上手く抱きとめてくれた。



翼「はあ、本当にお前は…。」



上からは怒るを通り越して呆れたような翼の声。



けど私は今それどころじゃない。


私、翼に抱きしめられてる?


目の前には翼の引き締まった体。


腰に回った腕。



今の私はきっとゆでダコ状態だろう。



顔が熱い…。

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