No.1ガール〜桜の姫〜①
理「……ねぇ翼、一つ聞いてもいい?」
そう言うと、翼がこっちを向くのが分かった。
私は目線を海に向けたまま口を開いた。
理「…この前私が屋上であぁなった理由、どうして何も聞かないの?」
それがずっと気になっていた。
聞いてこない理由の大体の想像はつく。
陸玖と永遠に何も聞くなと言われたか、そうでないにしてもその空気を察したかだ。
だけど私が珀龍神の姫である以上、気にならないわけがないだろう。
それに情報についてもそう。
翼のことだから、私のことは優聖に調べさせてあるはず。
だけど私の情報は何も出てこない。
出てきたとしても名前くらいだ。
なのに、翼や皆は何も聞いてこない。