No.1ガール〜桜の姫〜①
ザザザーッ
再び沈黙が私たちを包む。
翼「……お前はどうして欲しい。」
理「え…。」
そう言われて翼を見ると、翼は真っ直ぐ海を見ていた。
その横顔は本当に綺麗で思わず見惚れるほど。
翼「理央、お前はその理由を聞いて欲しいのか?」
今度は翼の黒い瞳が私を捕らえる。
全てを、私の心の中を見透かすような瞳。
前にもあったこの感覚。
翼「…正直言うと気になる。理央が何者で、過去に何があったのか。」
やっぱりそうだよね。
仲間に隠し事なんて最低だよね…。
私は申し訳なくなって俯いた。
仲間失格だよ…。
翼「…けど、それは理央が言いたくなるまで待つ。それが仲間ってもんだろ?」
理「…ッ。」
どうして翼は私の言ってほしい言葉が分かるのかな?
翼が言った言葉一つ一つが私の心を安心させてくれる。
本当不思議だよね。