No.1ガール〜桜の姫〜①
俺は二人に今の珀龍神の状況を全て話した。
闇討ちにあっている事も、すでに何人ものメンバーが病院送りになっている事も。
菜「そんな事になってたなんて、私全然知らなかった…。」
自分だけ何も知らなかった事に罪悪感があるのか、俯く菜々夏。
疾「菜々夏が落ち込むことじゃないよ。俺たちも不安にさせないよう隠してたからね。」
そんな菜々夏を優しく宥める疾風。
結局、2人には全部話すことになっちまったけどな。
あれだけ探っても出てきた情報はさっき翔平と洸哉が言っていた蠍の刺青だけ。
手詰まりもいいとこだ。
優「本当はさっさと終わらせる予定だったのにな〜。」
理「まだ何も手がかりはないの?」
俺に背中を預けていた理央が首だけ振り返って聞いてきた。
翼「いや、ついさっき手がかりになりそうな情報は入った。」
理「え、そうなの?」
陽「おう!相手の体のどこかに蠍の刺青があるんだとさ。」
理「蠍の刺青、か…。」
手がかりの話を聞いて何か考え出した理央。
翼「理央、どうかしたか?」
理「…ううん!何でもないよ。」
俺が聞くと、理央は首を振ってすぐにいつも通りに戻った。