No.1ガール〜桜の姫〜①
倉庫での時間の流れはとても早くて、お昼前に来たはずがいつの間にか午後6時になっていた。
今はいつものように翼の足の間で本を読んでいる。
もちろん、少し前までは菜々夏とゲームをしていた。
今回も勝ったのは私。
菜々夏もこれだけやればさすがに上達して、最下位争いからは脱出していた。
疾「さてと、陽希そろそろ行こうか。」
陽「おう!」
私と同じように本を読んでいた疾風が、時計を確認して立ち上がった。
菜「疾風、見回り?」
疾「うん。すぐ戻って来るから待ってて。」
菜「分かった。気をつけてね?」
疾風は菜々夏の頭をポンポンと優しく撫でると、陽希と一緒に部屋を出て行った。
夕方になると、こうして幹部の誰かが街の見回りに行く。
街の治安を守るとともに、闇討ちに合っているメンバーがいないかの見回りだ。