No.1ガール〜桜の姫〜①


一体目的は何?


まだ闇討ちを続ける理由は?


それに、どうして情報がここまで掴めないの?


疑問が頭の中をグルグルしている。




菜「はい、理央。ココアね。」



キッチンから両手にマグカップを持った菜々夏が出てきた。




理「ん、ありがと。」




私は菜々夏からココアの入ったカップを受け取り、一口飲んだ。




理「ん〜〜美味しい。」




口の中に甘い味が広がって、いっぱいいっぱいだった頭を落ち着けてくれた気がした。




菜「ふふ、よかった。にしても、早くみんな戻って来ないかなー。そう言えばさ、こうやって倉庫で理央と私だけって初めてだよね?」




理「え?あー、確かにそうかもね。いつもは絶対に誰かが私たちと一緒だ、た…。」





菜々夏の何気ない一言。


その一言がぐちゃぐちゃだった疑問とモヤモヤがまるで糸を解くようにスーッと消えていく。

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