☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
「内乱が日常茶飯事って…ありえないっですよね」
「魔界って結構荒れとるんやで。自分いったことないやろ?せやからそう思うとるだけやねんて」
「先輩はいったことあっる…?」
「せやな、あるで。なぁキース、お前も一緒におったさかいおぼえてんねんやろ?」
「…うん」
「あんまええ思い出とちゃうからなぁ。聞かんどいてくれやぁ」
気の抜けるような声でそういうと、ウィングは少しばかり眉根を寄せて微笑んだ。
「ほんと、最悪の思い出やわぁ…」
静かにそうつぶやいた時、独特の香りが鼻をついてウィングとキース、ヒカリは振り返った。
「なんや、これ?」
「ソバだソバだぁ!!」
たたたたたっとシルンが駆け出し、それにつられてヒカリも走る。
「ま、待ってシルンちゃん!!」
「…ま、お前も来いや。ご馳走してくれる、ゆうとったしな」
「ほんとですか!やったっあ」
「お前なあ、いっつも思うねんけど、そのしゃべり方どうにかならへんの?」
「いいじゃない、ウィング。いこ、ちぃにぃ」
「キースもここにっいる?」
「そうだよ、ちぃにぃは今何してるの?」
「俺は…」
さえぎるようにテルの声が響いた。
「そこの三人!!食うなら来い!食わねぇならそこに突っ立てろ!!!」
「はい今行く!!!!」
「いくで、サシェ」
「うー…はぁい」
深緑色の大きな瞳は最後まで疑っているようだった。