☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

「お手合わせって?」

「勝負のこと。練習試合かな」

ヒカリが誰にでもなくそうつぶやくと、キースが言った。

「二人は僕らとはレベルが違うからね。どれだけハンデを付けてもどうしても勝てないんだ」

「どんなルールなの?竹刀で戦うとか」

「あは、そんなものじゃないよ」


トレーニングルームって言うのがあってね、そこでやるんだけど。

武器は素手、鉄パイプ、棍棒とか、鎌も杖も弓も銃もワイヤーも、いくらでもあるし。

フィールドって言ってね、その部屋を大きく環境が変えられるんだ。

草原とか、コロシアムとか、水中や宇宙空間もあるみたい。

他にもたくさんあるけど、ちょっと省くね。

攻撃が当たるとそこに色が付く。

ちょっと変わった血のりみたいなものかな。

出血量に応じてくらくらしたり、毒が入ってると小さい傷でも治らなかったり。

痛みもリアルで…かなり怖いかな。

首とか心臓とか、仕留められたらその場で倒れて動けなくなる…つまり死んじゃった、負けってこと。


「二人はほんとに強いんだ…ものすごく。あ、シルンもね」

キースはそう微笑んでそうだ、と手を打つ。

「見に行かない?二人の戦闘。シルンもウィングもゼロもキングも…ちぃにぃも、どう?」

「私は行く。暇だし」

「行くでぇー」

「俺はいいや、部屋に戻ってるな」

「じゃっあ、行っていい?」

「私も見学します」

「うーん…迷惑になんないなら…」

キング以外の全員が席を立ち、ワドたちが向かったトレーニングルームへ向かった。

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