☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

「え、うそだぁ…」

「なんだ、かわいいだろう」

「うん、俺もそう思うけどさ、いやない。その顔でそれが好きとかない」

「何を言う。この目と顔のバランスが崩れてるのがいいんだ」

「しらねぇよ!!!」

天然なのか鈍感なのかマイペースなのかはいまいち分からない。

証明写真のごとき真顔のままクリスマスの朝に出てきそうなウサギのぬいぐるみを抱きしめている好青年ははたから見てもかなりシュールな光景だ。

ウィングは顔をしかめてその光景を見ていたが、あんまり見ているとギャップというかわいさのほうへ押し流されていくので無理やり回路にふたをした。

「ふわりか、かわいい名前だ。お花でも…うん似合う似合う」

「おうぇ…」

なんてこったとウィングは頭を抱える。

本人としては確かに動物をかわいがる感覚なのだろうが、ウィングはどうしても吐き気をこらえることはできなかった。

「慣れてください…子供のころから趣味が変わらないだけです…」

「何かが違う、なにかが、とても大事なものが…」

ゼロが気の毒そうにウィングの背中をさすっていたが、それを見たシルンが慌ててバケツを持ち出したのは、キースしか知らない。
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