☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
「おはようございますキング…さん…」
「よく眠れ…てなさそうだな」
アハハと笑いながら手に持ったふわりをゼロに押し付ける。
「どうしたんですか…?」
「動かない」
「バッテリー充電すれば良いんですよ…」
夢のないことを平然というゼロ。
キングは肩を竦めた。
しっぽを軽く折ったゼロは地面にひょいとふわりを置く。
元気に飛び回りはじめたが、経過を見ただけにキングは微妙な気持ちだ。
「…あー…ありがとう」
「おきになさらず…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
会話が続かない。
キングはあの無口のワドがあれだけ自分から話していたのはきっと会話を弾ませるためだったんだろうなと今更ながらに思った。
「そうだ、あなたに聞きたいことがあったんです…」
「ん?」
「貴方は…亡くなった御子…パンドラ様…ですか…?」
カッとキングは瞳を見開き、しかし一瞬でクスリと笑った。
「違いますか…」
「そうだったら?」
「ただの生物学的な興味ですよ…」
「んなら、口に出すのは浅はかだったな…ゼロ・ブライド。わりぃな」
軽くパキッと肩を鳴らして、キングは不敵に笑った。
「死んでもらう」