☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
テルは布団の中でぐずっていた。
「どうしたふわり…俺うさぎ可愛がる趣味ねえの…どっか行って…」
「ぴゃー!!」
「あーうるせぇな丸焼きにするぞこの野郎」
「ぴゃ?」
「ぬいぐるみだから食えねえってか。うぜえ」
寝起きのせいかものすごく機嫌が悪いテルはせっせと暴言をぶつけながら寝返りを打つ。
「…ぴゃ…ぴぴ?」
「おい待て何だその顔は!?」
「ぴゃー」
「わーったよ、起きればいいんだろうがっ!!」
心なしか満足そうに一声鳴いたふわりは、颯爽と消えた。
「…うざい」
「じゃあやめればいいではないですか…別に私も殺してほしいわけではないですし…」
「黙って死ね」
「そんなこと言わないでください…せめてL君が成人するまで待ってくださいよ…」
「何年待てっていうんだよ」
「私はどちら派でもないんですから…」
ゼロは殺気立つキングをため息を吐きながらなだめていた。
「おいおい何やってんのあんたら」
「暗殺」
「…」
「お医者様が私を殺そうとしてくるんですが…」
「とりあえずやめようよ。ワドが見てる。つか吐血してる」
「は?」
「Lさんが…?」
二人そろってテルに向き直るとテルの肩でワドがごほっと血を吐く。
「どうした!?」
「胃に穴が開いたんだと」
「心労がたたりましたね…」
「ご…ぜん…だ…さい…カハッ!」
「何するんだよキング!!」
「…」
脳天に思いっきり突きを入れられてワドは気絶した。
「ゴメンナサイは禁句…だよな?」
「いいだろ!?許せよ!許してやれよ!!!」
全力でキングからワドを遠ざけて、テルは叫んだ。
「ウィング~~~~~~~~!!!!」
「…」
「返事ないですね…」
ガクッとテルがつんのめった。