☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

「なぜだろう、この状況を拒否しようとしている自分がいる」

「受け入れるべきだぜワド」

「嫌だ、どうしても嫌だ」

なぜか物凄い物の怪に取りつかれたような感覚を感じてワドはぞっとした。

それをにこやかに見守るテル。

視線の先には談笑しているキングとゼロがいた。

「…」

問題はその内容だ。

「…で、ですね…ウサギのぬいぐるみを抱え込んで寝ていたんですよ…」

「廊下で?」

「そうなんです…それこそスーっていう効果音が聞こえるくらいには…」

「…」

可哀想に固まっているワドは自分の幼少期が赤裸々と話題にされていることよりも、ゼロが何も口にしていないことに驚いた。

「お花のかんむり?」

「シロツメクサの、です…はい、と言われて受け取ったのはいいものの、どうすればいいのか…」

「で?」

「お誕生日でしょ、と言われて納得しました…」

「そんだけかよ」

楽しそうに談笑している傍らに行方不明のふわりを見つけてシルンはワドをつつく。

「シルバーレインボー、俺は今の現実を受け入れたくない。今現実逃避という強硬手段をとっている。邪魔をするな」

「ふわり食べられるよ?」

「助けに行く」

ワドはトコトコ歩いて行ってなるべく遠くからふわりを回収した。

「…」

「…」

「…なんだ」

「あのね、もうそろそろ受け入れたほうがいいと思う」

「…体ではわかっている。だが頭がわかってくれない」

「逆でしょ」

そしてまたさりげなくワドを抱きしめた。


「…」

「せんちょ、顔が怖いで~?」

「ワドは俺だけのものなのに…」

「…」

ウィングは思った。

こいつ、少しおかしいんとちゃう?

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