☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
「ふわーりふわり、お前はだーれだ?」
「ぴぴ…」
「ちょっと待ってそんな可哀想なものを見る目つきで私を見ないで!!」
ふわりはすりすりと哀むようにシルンにすり寄る。
恋煩いもいいところのシルンはワドの馬鹿、と膝に顔を埋めた。
「ちょっとくらい振り向いてくれたっていいのに…」
全部わかってるなんて図々しいことは言わないから、ワドと一緒にいたいのに。
時には優しく、冷たく、あしらわれる。
あーあ、とシルンはぷしゅぅ、とへたり込んだ。
「ぴゃー」
なんだこの人間は、と言いたげな目つきでふわりがシルンを見ている。
シルンはなんだか馬鹿にされたようでイラッと来た。
「何?」
「ぴぴゃー」
「…」
「ぴゃー」
「…」
「ぴちぃー」
「…」
意思疎通はまだまだ遠い。
「…」
「…あのね、だから僕は悪気があったわけじゃないんだって」
「…」
「いい加減に機嫌直して…お願いだから!」
「ぴぴゃぁぁぁ…!」
「なんか猛烈に馬鹿にされてる気がするんやけど?」
「いつものこと」
シルンがかがみこんでいるところが見えなかったキースがシルンもろともふわりを蹴り飛ばしたせいでふわりは隅っこに丸まって毛を逆立てている。
そこにウィングも加わって、ふわりはうなって毛を逆立てる。
「…何をしているんですか…」
「わ、偏食!」
「げ、悪魔!」
「あ、ゼロ!」
「…三分の二が悪口なんですが…」
どうやらゼロは傷ついたらしい。
「ふわりが機嫌悪いんだ」
「コントローラーで操作すればいいんじゃないですか…」
「…」
夢も幻想もぶち壊れるようなことを平然と言うと、ゼロはひょいとふわりを持ち上げた。
「ここにスイッチがあるのでこれを押したら完了です…」
おなかの部分を開いて、少しいじるとふわりは元気に飛びまわり始めた。
「…」
経過を見た三人はかなり複雑な気持ちだった。