☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

肩に何か乗っているのだろうか、左右のバランスがおかしい。

いや、そもそも俺はいつの間に寝ていたんだ。

眠った覚えはない。

そして俺は…


ワドは強烈な痛みで目を覚ました。

口にあてがわれたタオルで押し殺された悲鳴があご骨を伝って鼓膜を震わせる。

しばらく鋭い“痛み”は続き、意識の分断の直前で途切れる。

体中から大量の汗が噴き出しているのがわかった。

数回瞬きして、ワドは苦し気に呻いた。

肩にもたれかかっているのはテル。

ダイアモンドとの合金かなにかなのだろう、ひどく床は固く、部屋は狭い。

正面はガラスらしき透明な壁。

その向こうにシルンがいた。

何故分けられているのかは定かではないが、何者かに捕えられていることだけは確かなのだ。


よりにもよって、この三人が。


二人はまだ眠っているが、三人とも両手を鉄パイプに括りつけられている。

両足はある程度自由になるものの、鎖で止められている。

そしてワドの額には、複雑な紋章の描かれたリボンが巻かれている。

足を投げ出した状態で床につくほど長いそのリボンには決して消えない鉄の香りが漂っていた。

「ん…ワド…?」

「…」

布をかまされたワドは呻いて俯く。

テルは一度起こした頭をもう一度ワドの肩に預けて笑った。

「起きて早々謝られてもさぁ…なんか痛いことされた?」

俯いたまま動かないワドにテルはため息をつく。

「おまえのせーじゃないだろ」

テルは不安げににかっと笑った。

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