☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
「ただいま」
「あっ!ワド~!!会いたかったよぉー!」
「…あ、ありがとうございます」
若干引き気味のワド。
眺めるキングは愉しそうだ。
「こいつか」
「さっすがワドー!愛してるよっ☆」
「…」
「やめなさい」
困っているワドをかばうようにシルンがダブルナイフの柄で殴りつけた。
「だって、だって俺ワド不足でおかしくなりそう」
「…どっかのバカップルみたいなことしてないで。気持ち悪いわ」
「このイケメンで合ってるか」
「うん。愛してるよテ…グフッ!」
「ひがんでるのか…ククク…」
「黙れ腹黒カウンセラー」
ワドはキングにだけは暴言を使うことができる。
テルは瞳をハート型にさせて倒れている。
シルンは溜息を吐いた。
「どうやって起こすつもり?」
「問題ない」
転がっているカモを見下してシルンが言うとワドが答える。
と、ワドが躊躇無く腹部を蹴り上げた。
「なんて事を…」
「いいだろ。別に」
「メロメロメロメロ…」
「…」
次は頭を踏み付ける。
「ちょっと…」
「ワド、もう起きてるぞ」
「…」
あくびれる様子もなくつま先で仰向けにするとおはようございますと一礼。
やり方はすこし悪いがカッコイイのに変わりないのですこしばかりシルンがぼぅーとする。
「あ、兄さんだれやねん」
「ワインレッドだ」
「ア?」
「そこにいるのが船長パーティーゴールド。そっちに立ってるのが船医のキング。で、そっちに」
「お嬢さんお名前は!?」
「…」
シルンを目に入れた瞬間目の色を変えて抱き着こうとする。
「やめて変態!!!」
「…」
バッチリ切り付けた。