☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

「へー、結構カワイイじゃん」

「…どうも」

「うわ、連れねーな」

「…」

さっきのウィングくらいにウザい、チャラい。

「…そういや、キングとキースが呼んでたぜ、ワド。またなんかやらかしたろ」

「…身に覚えが」

「ありすぎるってか?ああ、心配すんなよ、その子は俺が案内するから」

「…」

「おいなんだよ嫌そうにすんなよ!?」

「…」

「安心しろ、ご…いやテルは信用できるし、綺麗な男だろ」

「いやいやいや。お前の後じゃちょっとさ」

冷静に見ると確かにテルもイケメンだろう。

超をつけて良いくらいには。

でも困った。

ワドを並べるとどうしてもかすんで見える…

ヒカリは悩まし気ににこにこしているテルと無表情なワドを見た。

クラスのイケメン好きの女子が見たら卒倒かな…

「ってなわけで、俺で我慢してくれよ?ワドはちょっとオトナのお話」

「…」

どんな話だ。

やっぱりこういう人苦手かも、とヒカリは心の中でため息をついた。


「で、どこまで聞いた?つか、名前教えてよ」

「…」

「何でだよ、もう」

「…おばあちゃんが」

「なるほど」

それだけで納得したらしく、テルは肩をすくめた。

「でもワドが信用できるんなら俺にも教えてくれよ。俺ふつーにいいやつなんだぜ?」

「…ヒカリ」

「ふうん、ヒカリ、ちゃんでいいよな?年いくつくらい?13であってる?」

「…」

「あは、とりあえず俺らより下だよな」

楽しそうに笑ったテル。

「ルスタミアスのことはきーてねーよな?」

「ルスタミアス?」

「ルスタミアス・コール。人間界と対極の位置に属する宇宙だよ」

「…?」

「あ…説明ってムズイよなぁ…」

そういってテルはぼりぼりと頭を掻いた。

< 88 / 161 >

この作品をシェア

pagetop