☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-
「へー、結構カワイイじゃん」
「…どうも」
「うわ、連れねーな」
「…」
さっきのウィングくらいにウザい、チャラい。
「…そういや、キングとキースが呼んでたぜ、ワド。またなんかやらかしたろ」
「…身に覚えが」
「ありすぎるってか?ああ、心配すんなよ、その子は俺が案内するから」
「…」
「おいなんだよ嫌そうにすんなよ!?」
「…」
「安心しろ、ご…いやテルは信用できるし、綺麗な男だろ」
「いやいやいや。お前の後じゃちょっとさ」
冷静に見ると確かにテルもイケメンだろう。
超をつけて良いくらいには。
でも困った。
ワドを並べるとどうしてもかすんで見える…
ヒカリは悩まし気ににこにこしているテルと無表情なワドを見た。
クラスのイケメン好きの女子が見たら卒倒かな…
「ってなわけで、俺で我慢してくれよ?ワドはちょっとオトナのお話」
「…」
どんな話だ。
やっぱりこういう人苦手かも、とヒカリは心の中でため息をついた。
「で、どこまで聞いた?つか、名前教えてよ」
「…」
「何でだよ、もう」
「…おばあちゃんが」
「なるほど」
それだけで納得したらしく、テルは肩をすくめた。
「でもワドが信用できるんなら俺にも教えてくれよ。俺ふつーにいいやつなんだぜ?」
「…ヒカリ」
「ふうん、ヒカリ、ちゃんでいいよな?年いくつくらい?13であってる?」
「…」
「あは、とりあえず俺らより下だよな」
楽しそうに笑ったテル。
「ルスタミアスのことはきーてねーよな?」
「ルスタミアス?」
「ルスタミアス・コール。人間界と対極の位置に属する宇宙だよ」
「…?」
「あ…説明ってムズイよなぁ…」
そういってテルはぼりぼりと頭を掻いた。