時代を越えて、恋人になっちゃいました。


夜の8時をまわった。


けれども、蒼空はまだ見つからない。


「蒼空…」

途方に暮れた俺は、結局お袋に電話をした。


「もしもし」

『あら、翔真。まだ帰ってこないの? 』

「それが、蒼空がいなくなっちゃったんだ」

『えっ? いつ? 』

「もう2時間前くらい」

『バカッ! なんでもっと早く連絡しなかったのよ! 』

「だって…」

『だいたい落ち着いて考えてたら、蒼空ちゃんの居場所を占うことだったできるでしょう! 』

「あっ……」

『全くもう! 今すぐ占いなさい。そもそもあなたはもっと冷静にならなきゃダメよ。蒼空ちゃんは冷静になるのが苦手なタイプだからこそ、あなたはもっと冷静でいなさい』

「……はい」



俺は電話を切って、すぐに蒼空の居場所を占った。


「……街のはずれのつぶれたパチンコ屋か」



俺はふらりと立ち上がり、そこへ向かって駆け出した。



< 100 / 251 >

この作品をシェア

pagetop