時代を越えて、恋人になっちゃいました。
感動の再会も果たしたところで、私とソウは早速今日のことを2人に話した。
「そうか…、妖怪の…」
「上様、心当たりはありませんか? 」
「ううむ。今思い当たったのは、尾張の国に伝わる、昔話だが…。あれも子供が神気をまとった者にさらわれる話なんだがな」
「ぜひ、教えてください! 」
「いや、なにせ記憶が曖昧なものでな。思い出しておくから、また夜話してあげよう」
「…うぅー。分かりました」
壁にかかっている時計はもう、7時を指している。
「あ、稽古しなきゃ! ソウ、蘭丸連れてっていい? 」
「ああ、いいぜ」
「蘭丸、行こう。竹刀貸したげる」
「分かった」
私たちは連れ立って、ホテルの屋上へ向かった。