時代を越えて、恋人になっちゃいました。
パシッ、ザッ、ザザッ、パシッ。
「ンダァァァ! 」
「くっ! さすがに私の生まれ変わりだな」
「無駄口叩いてると切っちゃうよ! テェェェェ! 」
「やられっぱなしだと思うなよ! メェェェン! 」
蘭丸のメンを竹刀を横にして受け止める。
一歩引いて、間合いを開けた。
だけど蘭丸は近付いてくる。
あぁもう!
私は一足一刀の間合いがいいんだってば!
その流れで鍔迫り合いに持ち込む。
あー、力は敵わないよなぁ。
それならと自分の竹刀を相手の竹刀に絡ませる。
そしてそのまま、
「コテェェェェ! 」
引きゴテ。
だけどさすがに武士の蘭丸さんは一味違った。
コテを食らっても、そのまま切り掛かってきた。
「メェェェェェェン! 」
完全に油断していた私は、蘭丸のメンを思いっきり受けてしまった。
「いったぁい! 」
頭が割れそう。
のたうちまわっていると、面を外した蘭丸が駆け寄ってきた。
「すまぬ、つい本気で……」
「いや、大丈夫。めっちゃ痛いけど」
私も面を外すと、2人で座礼。
立ち上がると、汗ばんだ肌に夏の生ぬるい風が私たちを取り囲んだ。
いくら夜でも、夏は暑い。
でも多分ここは屋上だからそこまででもないのかな。
だって多分他のところはもっと風通し悪いもんね。
「さぁ、風呂入ってから上様のところに行こう」
「うん! 」