時代を越えて、恋人になっちゃいました。
上様の話が終わると、急にソウが立ち上がった。
そして被害者名簿を手に取ると、スマホで1人ひとりの家に電話をかけ始めた。
私は何が何だか分からなかったので、手伝えなかったけど。
全ての家に電話をかけ終わったソウは、微笑を浮かべた。
「ビンゴだ。おそらくさらわれた子供たちも見鬼の才があった」
「嘘! 」
「あくまでも可能性だけどな。子供たちはみんな、幽霊を見たことがあるらしい」
「でも子供の頃はみんな、ある程度の見鬼の才はあるよ? 」
どうやら防衛本能の一種らしい。
詳しくはよく分かんないけど。
「まぁな。ただ通常の人より強い才を持っていることは確かなのだろう。だからみんな妖怪にさらわれた」
「あ、あとね、妖怪じゃないかもしれないの」
ソウが怪訝そうな顔をする。
私も確証があるわけじゃないから少し戸惑いながら、現場の神気のことをソウに伝えた。
「神気か…。ただし微弱。人に近い神なのかもしれない」
「人に近い? 」
「十二神将のように、人が作り出した神のことだよ」
十二神将っていうのはまあいわゆる神様なんだけどさ。
有名なのは4方位を司る4体の神様。
北の玄武(げんぶ)。
南の朱雀(すざく)。
東の青龍(せいりゅう)。
西の白虎(びゃっこ)。
玄武は亀、朱雀は赤い鳥、青龍は龍、微弱は虎として主に現される。