時代を越えて、恋人になっちゃいました。
私はそっと、目を閉じた。
目を閉じてブランコに乗ると、空を飛んでるみたい。
なんだか不安定な、それでいて安心感はある、不思議な空間。
そんな空間を、ブランコは創り出す。
夏の日差しが肌を焦がす中、私は1人でブランコをこぎ続けた。
と、いきなり刺すような視線を背後から感じた。
あの不思議な空間を抜け出し、さっと後ろを向く。
黒猫ちゃんも牙を剥いて、威嚇している。
……ごめん、怖くないわ。
そんなことはさておき。
私はじっとあたりの様子を伺った。
途端、背筋が凍るような妖気が漂ってきた。
ほんの少し、神気も混ざっている。
「まずい…! 」
私は手に付けていたゴムで髪をポニーテールにくくると、ミサンガで残りのメンバーに協力を要請して、戦闘体制に入った。
きっとみんながつくのは早くて30分後。
それまでならきっと大丈夫。
『力』に乗っ取られずに、うまくそれを操れる時間内だ。
「…さぁ、いくよ」
私はお守りとして持っていた蘭丸の短刀に符を貼り、中段で構えた。