時代を越えて、恋人になっちゃいました。
ガツンッ!
騰蛇が振り下ろした長い爪を、短刀で受け止める。
安心したのもつかの間、今度は反対の手の爪が私を襲う。
とっさに私は菊の短刀を服の中から引き抜き、横にして攻撃を防ぐ。
1度後ろへ飛び退き、体制を立て直す。
……やばい、本当に息上がってる。
『力』にも乗っ取られそう…。
だけど、ここで負けるわけにはいかない。
短刀を顔の前で構え直す。
「はぁぁぁぁ! 」
気合いとともに騰蛇に突進する。
振りかざした2つの短刀は、やすやすと騰蛇が受け止めてしまい、私は顔をしかめた。