時代を越えて、恋人になっちゃいました。
くるりとソウが向き直る。
「で、なんでお前はあんなにへっぽこなんだよ」
「いや〜、今回は相性悪かったし…」
「それを差し引いても、だろ」
「…申し訳ないです」
「まあ、もういいけどな。それより顔色悪いぞ」
「あ、や、大丈夫」
「あっそ」
いけない、いけない。
さっさとこの『力』しまわなきゃ。
額に手を当てて、深呼吸をする。
血が、おさまっていく気配がした。
「行くぞ」
はや、もう歩き出してるし。
「はいはい」
助けてくれてありがとう、なんて、言ってやらないんだから。
立ち上がって脚の砂を払うと、黒猫ちゃんを抱き上げた。
そのままソウに向かって駆け出した。