時代を越えて、恋人になっちゃいました。



ホテルには蘭丸たちの方が早く着いていた。

当たり前だけど。

これで遅かったら、むしろおかしいよね。


「こやつ、目を覚まさぬぞ」

「ああ、いいんだよ。あと2、3時間したら目を覚ますさ」

「ねぇ、また暴れない? 」

「多分な。目は覚めても、縛の威力は変わらない」


不安げに見つめると、ソウは困ったように微笑んだ。


「大丈夫だって。それより怪我してんぞ」

「どこ? 」

「ほっぺんとこ。こいつの爪か? 」

「そうかも」



全然気付かなかったけど。


「こっちこいよ。手当てしてやる」

「うん」


私は大人しく、されるがままになっていた。



絆創膏を貼るソウの手つきは昔と変わらず優しくて、少し切なくなった。



__今のソウも好きだけど、昔のソウの方が良かったな、なんて。



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